2015年5月24日日曜日

2015年度 ホリスティック教育研究大会のご案内(第二報)

お世話になっております、研究大会事務局です。
6月20日~21日に開催されます、2015年度の研究大会の詳細が決定いたしましたので、ご案内させていただきます。
 
ご不明な点等ございましたら、お手数ですが案内途中にあります連絡先までご一報いただけますよう、よろしくお願いいたします。

 記

期 間2015620日(土)~621日(日)
    20日(土)930分より受付開始
    21日(日)9時より受付開始
場 所:同志社大学 今出川キャンパス 明徳館(20日、21日午前)
                   良心館(21日午後)
アクセス

(キャンパスマップ)

620日(土)
■個人研究発表 10001230 明徳館1M1教室

■ランチ交流会 12451430
 午前のプログラム終了後、移動して昼食を囲みながらの交流会を行います。
 参加の可否については、当日受付にてお伝えください。
(昼食費1,500円は交流会会場にて徴収いたします)
 場所:バザールカフェ(京都市上京区岡松町258
 ■運営委員会  15001900 明徳館1M5教室
 協会の運営に関わるさまざまなことを話し合う場ですが、例年、運営委員だけでなく、会員の皆様も自由に参加できるオープンなスタイルで開催しています。会員の皆様のご意見を反映させる機会でもありますので、ぜひご参加ください。
 
621日(日)
■モーニングセッション 9301000 明徳館1M1教室

 
■個人研究発表 10101240 明徳館1M1教室/M3教室
(会場1M1教室)

(会場2M3教室)

 
■ワークショップ 14001700 良心館 4RY429RY430
 〇講師 John P. Miller氏(トロント大学オンタリオ教育研究所教授)
 〇通訳 桜井みどり氏


◇大会期間中の注意点
■参加費(二日間通し:大会当日受付にてお支払いください)
 協会会員・学生…1,000円/一般…2,000
 ワークショップ…3,000円(先着40名)
■受付について
 20日は明徳館M1教室後方、21日は同教室前廊下に受付を設けております。
21日(日)の昼食については、各自でご持参いただくか、大学周辺のコンビニ、飲食店等をご利用ください。


◇問い合わせ先
 研究大会についてご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。
 研究大会事務局アドレス holistic.edu.soc.jp [@] gmail.com []はアットマーク)
                        FAX     06-7635-8126 


個人研究発表要旨
 
620日(土) 発表時間2530分/質疑応答1520
1.コア・リフレクションから始める大学教育
―授業実践を通して見えて来た課題の検討―
荒木奈美(札幌大学)
 大学教育の中で自分の本当の欲求がわからず「主体的に生きられない」学生たちが少なくないが、彼らが真に主体的に生きるためには、いったん既成概念として備わった教育の「枠組み」を問い直す必要があり、それにはコア・リフレクションの知見が有効と考えている。授業で見えて来た学生の現状と照らしながら検討したい。


2.教師バーンアウト研究における臨床教育学的アプローチの検討
池田華子(天理大学)
 教師の抱えるストレスや、それに伴うバーンアウトの増加が指摘されて久しい。本発表では、教師バーンアウト研究の動向を整理するとともに、ナラティヴ研究、ライフヒストリー研究、エスノグラフィーの方法等との比較検討を通じて、教師バーンアウトについて臨床教育学はどのようなアプローチを取りうるのかを検討したい。


3.外国籍の子どもの日本語支援に生かす英国サマー・リーディング・チャレンジ
伊東久実(身延山大学仏教学部福祉学科子ども学コース)
 日本語指導を必要とする外国籍の子どもへの国からの支援は、20152月に縮小された。学習困難を感じる子どもの増加が予想される。英国最大の読書推進活動(SRC)は、英語を母語としない子どもの英語習得に貢献する。図書館を活用し、アウトプット活動を重視し、地域の教育力によって推進する特徴を持つ。SRCにヒントを求める。


621日(日) 発表時間20分/質疑応答10
1.図画工作における自己表現と集団表現
金田卓也(大妻女子大学)
 造形教育においては、一般的に、子どもたちひとりひとりの自己表現を豊かにすることが重視されているが、共同制作のような集団の表現にも大きな教育的な可能性も見出すことかできる。本発表では、これまで継続してきたキッズゲルニカ国際子ども平和壁画プロジェクトを事例に、小学校の図画工作における集団表現の意義について考察する。


621日(日) 発表時間20分/質疑応答5
(会場1M1教室)
1.ホリスティック・アプローチと教育への応用―意味の視点からのアプローチ―
福田鈴子(常葉大学健康プロデュース学部こども健康学科)
砂子岳彦(常葉大学経営学部)
 ジョン・ミラーによれば「つながり(interconnectedness)」がホリスティックであることの条件の一つである。ここでは<意味>という観点から授業をとらえることによって、つながりを浮かび上がらせる。意味は人間の身体・精神・存在に関わり、特に存在的意味は他者に「つながる」。この意味を認識する授業についての考察とその試みを報告する。


2.チャールズ・テイラーにおける「アイデンティティ」
奥本陽子(大阪府立大学大学院人間社会学研究科 博士後期課程)
 多文化主義で知られるテイラーは、アイデンティティを自我の善に対する位置づけであると定義し、その獲得には道徳と不可分な枠組みや他者との対話的な関係が必要であると主張する。本発表ではテイラーの言うアイデンティティが、差異の承認や「本来性」、超越性とどのように結びついているかを明らかにする。


3.韓国における多文化共生といのちの思想に関する考察
~民話の中の「異人」分析を中心に
孫美幸(立命館大学衣笠総合研究機構 専門研究員)
 本発表では、韓国の伝統的な思想(ハン思想)の中で、多文化共生といのちの視点とをつなぐ考え方がどのように位置づけられているかを、まず検討する。そして、その考え方が長年韓国の民衆の間に伝えられてきた民話や伝説の中にどのように表出しているのかを、登場する「異人」を対象にして考察するものである。


4.長期紛争と社会意識:社会的信念の変革にむけた市民社会活動の有効性
吉村季利子(大阪大学大学院国際公共政策研究科 特任研究員)
 長期紛争における長期化原因の一つとして、紛争社会内部に根差すトラウマや社会意識が指摘されている。本発表ではイスラエル/パレスチナ紛争において、ホロコースト記念館:ヤド・ヴァシェムが紛争の長期化に果たす役割と同国の市民社会活動を比較し、平和的共生社会の構築に必要な意識変革とその方法について考察する。


(会場2M3教室)
1.変容をもたらすESDへの自由学園からの示唆
曽我幸代(名古屋市立大学人文社会学部)
「自分自身と社会を変容させるための学び」はESDの特徴とされるが、これに関する研究は途上である。本発表では社会変容が設立当初から目指されてきた自由学園を取りあげ、生徒/学生の主体的な学びを保障してきた教育の特徴を考察することで、自己変容と社会変容をもたらす教育には何が求められるのかを明らかにする。


2.子どもの素朴な想いと繋がりから創る理科授業について
木村和孝(木実和教育研究部)
 子どもが理科の授業の中で科学的な概念を学ぼうとする時、一人一人がそれぞれの経験や体験を持っているため、実に多くの展開を模索することができる。本発表では、教室を社会と捉え、それぞれの子どもがどのような考えをもって授業に臨み、どのようにしてそれを授業に反映するかについての実践と簡単な調査結果について報告する。


3.「心を育む保育の実践」
   取り組む視点をホリスティックにすることでの変容
荒川正嗣(社会福祉法人 豊野保育園)
 保育指針が改訂され保育園は「養護」と「教育」を一体的に実施する施設と再定義された。当園は「養護」「教育」に、敢えて「心」という視点を組み込み、街中の保育園でありながら、特別な取り組みをせずとも、取り組む姿勢を見直すことでできるホリスティックな保育の実践を模索している。この度はその様子をご紹介したい。


4.〈いのちのつながり〉を生かす総合学習―mindfulness による子育て支援―
佐川通(「学校の森」総合研究所)
 私は今、中越大震災で被害の大きかった小千谷市東山地区の子育て支援に入っている。遊びを通じて引き出す教育を方針としている「木のこん」は、親子が自由に遊びチャレンジする場、日常生活での抑圧を取り払い自由に心と体を解放できる場、人間は本来自然の一部なので本能的な部分をめざめさせる場として、市の内外から関心が高まっている。人口が半減した集落に、再び子どもたちの元気な声が響いている。